自生している植物を確認しながら散策していると、横で一緒に歩いていたアウルムの足がぴたりと止まる。

「……アウルム?」

『向こうに誰かいるのー』

「えっ?!」

 アウルムはずっと先の方を見ているようだ。ティナがその先を見ても何も見えないから、視覚ではなく音や匂いで気付いたのかもしれない。