アウルムは目を覚ましたものの、まだ寝ぼけているらしい。そんなアウルムもとても可愛らしい。

「ふふっ、今日出発するから、そろそろ起きよっか」

 今日は朝食を食べた後、宿を引き払わなければならないので、もう少しアウルムを寝かせてあげたいと思うものの、ティナは心を鬼にしてアウルムを起こすことにした。

『んん〜……。わかったよー』

 アウルムは小さい体を伸ばすと、ふわぁとあくびをした。

「ご飯を食べたら買い物をしようね。お肉とチーズをいっぱい買おっか?」

『ごはんー? 食べるー! お肉もチーズもいっぱい食べるよー!』

 普通の動物が食べられない食材でもアウルムは平気で食べられる。だからなのか、アウルムの食べ物に対する欲求はとても強い。

 この街を出て森へ向かうとなったら、調達できる食料は途中で採取できる肉か野菜ぐらいだろう。
 アウルムに喜んでもらうためにも、チーズやソーセージ、ベーコンのような加工品を大量に買う必要がある。

 それから、ティナとアウルムは朝食をとった後、早々に宿を出発することにした。

「あっ! もう行かれるんですかっ?!」