月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。


 精霊が起きる頃合いを見計らって部屋に戻ろうかと思い、アウルムに質問したティナだったが、流石のアウルムもそこまで知らないようだった。

「そっかー。わかんないかー」

『わかんないけどー。しばらく起きないかもー』

「えっ?! しばらく起きないの? どうして?」

『えっとー。弱ってるかもなのー』

「弱ってるって……! え、精霊が?!」

 精霊が起きるまでどうやって過ごそうかと思っていたティナは、続くアウルムの言葉に驚いた。

『うんとねー。小さいのー』

「んん?」

『匂いはするけど、なんだか小さいのー』

 ティナはアウルムの言葉の意味を考えた。アウルムのこの言葉はとても重要だと思う。

「それって、気配とか存在感が小さいとか……もしかして生命力が少ないってことかな?」

『うーん、わかんないー。でもたぶんそうかもー?』

 アウルムはまだ子供で、何より魔物なのだ。人間と同じように説明出来なくても仕方がないだろう。

「じゃあ、精霊さんの様子を見に、一度部屋に戻ってみようか」

 ティナは食堂から借りている部屋へと戻った。