ティナたちは走り回る憲兵を横に、街の外れの方へと足を向ける。

「そういえばこの辺りって魔物が出たりするのかな?」

 小さいとはいえ、森の中で野営をする場合は魔物に注意しなければならない。
 どんな魔物が生息しているかで危険度が大幅に変わって来るのだ。

『うーんとー。この近くにはいないみたいだよー』

 耳と鼻をぴくぴくさせた後、アウルムがティナに教えてくれた。

「もしかしてアウルムは遠くにいる魔物の気配を感じられるの?!」

「うんー。何となくわかるよー」

「すごい! アウルムは本当にお利口さんだね! おかげで安心して野営が出来るよ!」

『えへへー!』

 アウルムが一緒にいてくれるだけでこんなにも心強いとは、とティナは手放しで喜んだ。

 たとえ魔物が出たとしても、ティナの結界で自分達を守ることは出来る。しかし、予め魔物がいないとわかっていると心に余裕が出て、精神的にも楽になるのでとても有難い。

 ティナはどんどん森の奥へと進んでいく。アウルムが魔物の気配を感じたら教えてくれることになっているので、安心して野営地を探すことが出来た。

「この辺りにしようか」