「えーっと、アウルムはどれだったら食べても大丈夫なの? 人間が食べる料理をそのまま食べちゃダメだよね?」

 アウルムは狼によく似た魔物だったので、いつも肉を食べさせていた。しかしアウルムが美味しそうだと言っているのは人間が食べる前提の料理だ。

『僕なんでも食べるよー!』

 アウルム曰く、狼に食べさせてはいけないものでも、アウルムは大丈夫らしい。だからイロナが作る香辛料たっぷりの料理でも食べられるのだと言う。

「何を食べても大丈夫なんだ。じゃあ安心だね。食べたいものがあったら教えてくれる?」

『わかったー! いっぱい食べてもいいー?』

「その代わり運動もいっぱいしなきゃダメだからね! コロコロに太っちゃうよ?」

『はーい!』

 ティナに許可を貰ったアウルムは、早速肉を焼いている露店へと向かう。店から漂う香ばしい香りが鼻をくすぐって、お腹が空いていないティナでも食欲がそそられてしまう。

『おいしーい!』

「あらあら可愛いワンちゃんね。これおまけしてあげるわね」

『ありがとー!』