「お父さんたちがトールに苦しみながら生きろって言ったの? 違うよね? 生きてって言葉には幸せになって欲しいって願いが込められているの!! それぐらいトールにもわかるでしょ?!」

「……っ、でも、俺にそんな資格は……っ」

 まるで自分は幸せになってはいけない、と思い込もうとしているトールに、ティナは段々腹が立ってきた。

「じゃあ、仮にトールのせいでお父さんたちが亡くなったとして、それでトールはどうするの? これからも罪滅ぼしのために私を守ってくれるの?!」

 ティナは悔しくて悔しくて、トールにどんどん言葉をぶつけてしまう。

「罪滅ぼししたいなら王様になってみんなを守ってよ!! 私のことはもういいからっ! もう守って貰わなくても大丈夫だから……っ!」

 ティナの怒りと涙は止まらない。言葉に出せば出すほど、感情が昂っていく。

「違うっ!! 俺が守りたいのはティナで──っ!」

「自分を幸せだと思わない人に守って貰っても嬉しくないっ!!」

「──っ!!」

 反論しようとしたトールであったが、ティナの一言に何も言えなくなる。