月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。

 そんなアンネマリーの健気さを愛しく思うと同時に、フレードリクの心の中でクリスティナに対する怒りが爆発する。今まで溜まっていた鬱憤も原因だったのかもしれない。

 そして彼はその感情が赴くまま、クリスティナに婚約破棄を宣言したのだった。

 ──クリスティナに課せられた王妃教育や瘴気浄化の巡業が、巡り巡って自分のためなのだと、考えもせずに。




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「陛下!! ラサーク地方で瘴気溜まりが発生しました!!」

「何だと?! クヴェトン地方の瘴気もまだ浄化出来ておらんというのにっ!!」

「浄化出来る神官の数が足りません!! アコンニエミ国に救援を要請しなければ、このままでは……っ!」

 セーデルルンド王国の王宮にある、国王の執務室では役人たちが慌ただしく業務に当たっていた。

 大神官オスカリウスから威圧を受け、失神した後しばらく寝込んでいたフレードリクが、久しぶりに執務室に顔を出してみると、何やら大変なことが起こっているようだった。

「これは一体……?!」