その均衡が、今回の婚約破棄と称号剥奪の件で崩れたのだ。これを機に、聖国はクリスティナを招聘しようと動くだろう。
そう言う意味では、先日聖国へ赴いたのは僥倖だったのかもしれない、とアレクシスは考えていたのだが──。
「でもアレクシス卿は、教皇と直接会話が出来るような重職に就いているんだろ? そこら辺の神官たちよりよっぽど偉いじゃないか」
「……っ!?」
トールの指摘にアレクシスがギョッとする。
「えっ?! それ本当?! でも、アレクシスは聖女付きとは言え、ただの聖騎士のはずで……」
ティナは不思議に思いながらも、そう言えば……と、先程のアレクシスの発言を思い出す。
『……クリスティナ様を大聖女に、と教皇に進言するためで──!!』
「あれ……? 本当だ。え? アレクシスってそんな権限を持っていたの?」
聖騎士の中にも階級はあるが、それでも教皇と直接言葉を交わせるのは、精々聖国を守護する騎士団の隊長格クラスまでだろう。
聖国の神官ですら、姿を見るのがやっとだと言うのに、他国の神殿の聖騎士がそうやすやすと会える存在ではないのだ。
「………………」
ティナの質問に、アレクシスは答えない。それは肯定と同じ意味だった。
そう言う意味では、先日聖国へ赴いたのは僥倖だったのかもしれない、とアレクシスは考えていたのだが──。
「でもアレクシス卿は、教皇と直接会話が出来るような重職に就いているんだろ? そこら辺の神官たちよりよっぽど偉いじゃないか」
「……っ!?」
トールの指摘にアレクシスがギョッとする。
「えっ?! それ本当?! でも、アレクシスは聖女付きとは言え、ただの聖騎士のはずで……」
ティナは不思議に思いながらも、そう言えば……と、先程のアレクシスの発言を思い出す。
『……クリスティナ様を大聖女に、と教皇に進言するためで──!!』
「あれ……? 本当だ。え? アレクシスってそんな権限を持っていたの?」
聖騎士の中にも階級はあるが、それでも教皇と直接言葉を交わせるのは、精々聖国を守護する騎士団の隊長格クラスまでだろう。
聖国の神官ですら、姿を見るのがやっとだと言うのに、他国の神殿の聖騎士がそうやすやすと会える存在ではないのだ。
「………………」
ティナの質問に、アレクシスは答えない。それは肯定と同じ意味だった。



