「魔石の魔力はほぼ満たされている状態だ。お前は運が良い。クリスティナ様が魔力を貯めていて下さったおかげだな。精々クリスティナ様に感謝すると良い」

「……そうだな。それしかあるまい。しかしこの令嬢の体調管理はしっかり行うように。万が一にも、命を落とすようなことだけは避けていただきたい」

 グスタフはオスカリウスの提案を受け入れることにした。
 アンネマリーに罪滅ぼしをさせるにも、丁度いいだろうと考えたのだ。

「もちろんです。しかし、聖霊降臨祭が終わるまでにクリスティナ様を見付けなければ、結界の維持は難しくなるかと」

 残りの魔力はアンネマリーから補充するとしても、それは一時しのぎにしかならない。
 クリスティナか、彼女並みの魔力を有する者を探し出さねばならないのだ。

「どうか私にお任せ下さい! 私がクリスティナ様を必ず見付け出します!」

 アレクシスがオスカリウスとグスタフに申し出た。

「そうだな。お前が一番クリスティナ様の行動を熟知しているし、適任だと思うが……聖王国から戻ったばかりで疲れているのではないか?」

「いえ! 問題ありません! 私は一刻も早くクリスティナ様の無事を確認したいのです!」

 長旅から戻ったばかりのアレクシスを思ってのオスカリウスの言葉であったが、アレクシスにはいらぬ心配だったようだ。