獣魔契約に失敗すると命を落とすと聞かされても、ティナの瞳には全く恐怖の色は見えない。
それは、ティナがトールに全幅の信頼を寄せているからだ。
優秀なトールは絶対自分とアウルムを傷つけないという、確固たる自信もあった。
それに、もし自分が死ぬことになっても、最後に見る光景がトールの姿なら、それはそれでありかもしれない──なんて、そんなことを思うぐらい、自分はトールのことが好きなのだと、ティナはようやく自覚し、認めたのだ。
そしてトールはトールで、もし獣魔契約に失敗したら反動を受けてでも術を破棄しようと考えていた。それは膨大な魔力の暴走を自分が全て引き受けるということだ。
自分が提案したことで、ティナに危険が及ぶことを何よりも恐れたトールの決断であった。
「じゃあ、いくよ」
トールはそう言うと精神を集中させていく。
すると、トールの身体から魔力の光が溢れ、渦を巻いたかと思うと、魔力の渦が魔法陣へと変化して、ティナの足元に現れた。
『我が力の源よ 絆を結ぶ鎖となり その盟約の繋がりとなれ 彼の者の意のままに 彼の者の為すままに 汝、主に付き従え その命尽きるまで──<アエテルニターティス・パクトゥム>』
トールの詠唱に反応するかのように、ティナの足元の魔法陣が光り輝く。
そして魔法陣から溢れた光が、ティナとアウルムを包み込んだ。
光の奔流の中で、ティナは不思議な魔力の存在を感じた。トールの優しい魔力とは違う、温かい魔力だ。
温かい魔力がティナの身体を包み込むと、すうっと溶けていく感覚がした。
きっとこの温かい魔力はアウルムの魔力だろう。
それは、ティナがトールに全幅の信頼を寄せているからだ。
優秀なトールは絶対自分とアウルムを傷つけないという、確固たる自信もあった。
それに、もし自分が死ぬことになっても、最後に見る光景がトールの姿なら、それはそれでありかもしれない──なんて、そんなことを思うぐらい、自分はトールのことが好きなのだと、ティナはようやく自覚し、認めたのだ。
そしてトールはトールで、もし獣魔契約に失敗したら反動を受けてでも術を破棄しようと考えていた。それは膨大な魔力の暴走を自分が全て引き受けるということだ。
自分が提案したことで、ティナに危険が及ぶことを何よりも恐れたトールの決断であった。
「じゃあ、いくよ」
トールはそう言うと精神を集中させていく。
すると、トールの身体から魔力の光が溢れ、渦を巻いたかと思うと、魔力の渦が魔法陣へと変化して、ティナの足元に現れた。
『我が力の源よ 絆を結ぶ鎖となり その盟約の繋がりとなれ 彼の者の意のままに 彼の者の為すままに 汝、主に付き従え その命尽きるまで──<アエテルニターティス・パクトゥム>』
トールの詠唱に反応するかのように、ティナの足元の魔法陣が光り輝く。
そして魔法陣から溢れた光が、ティナとアウルムを包み込んだ。
光の奔流の中で、ティナは不思議な魔力の存在を感じた。トールの優しい魔力とは違う、温かい魔力だ。
温かい魔力がティナの身体を包み込むと、すうっと溶けていく感覚がした。
きっとこの温かい魔力はアウルムの魔力だろう。



