「時間だけはたくさんあったからね。使えそうな魔術はある程度修めているよ」
あまり学院に行けなかったティナと違い、トールには学ぶ時間があったのかもしれない。しかし並大抵の努力をしなければ、そうは成り得ないだろう。
「──やるよ。アウルムと獣魔契約したい。トール、お願いしていい?」
色々わからないことだらけだが、ティナはトールの申し出を受けることにする。
アウルムが処分されるのはもちろん嫌だ。もし入国管理場でそんなことになったら、元聖女の立場を利用してでもアウルムを守るだろう。
しかしそんなことは関係なく、ティナはトールの気遣いが嬉しかったのだ。
自分の心も身体も──そのすべてを、全身全霊をかけて守ろうとしてくれる──そんなトールの気持ちに触れて、ティナは胸が喜びに満たされていくのを実感する。
今のティナなら、たとえ相手が古代竜だろうが神獣だろうが獣魔契約を結ぶことが出来そうだ。
「わかった。じゃあ、場所を移動しようか」
ティナがアウルムを抱いてトールの後を付いて歩くと、広場のような開けた場所に出た。
「ここなら丁度いいね。じゃあ、アウルムを抱いたままでいいからそこに立ってくれる?」
「うん」
あまり学院に行けなかったティナと違い、トールには学ぶ時間があったのかもしれない。しかし並大抵の努力をしなければ、そうは成り得ないだろう。
「──やるよ。アウルムと獣魔契約したい。トール、お願いしていい?」
色々わからないことだらけだが、ティナはトールの申し出を受けることにする。
アウルムが処分されるのはもちろん嫌だ。もし入国管理場でそんなことになったら、元聖女の立場を利用してでもアウルムを守るだろう。
しかしそんなことは関係なく、ティナはトールの気遣いが嬉しかったのだ。
自分の心も身体も──そのすべてを、全身全霊をかけて守ろうとしてくれる──そんなトールの気持ちに触れて、ティナは胸が喜びに満たされていくのを実感する。
今のティナなら、たとえ相手が古代竜だろうが神獣だろうが獣魔契約を結ぶことが出来そうだ。
「わかった。じゃあ、場所を移動しようか」
ティナがアウルムを抱いてトールの後を付いて歩くと、広場のような開けた場所に出た。
「ここなら丁度いいね。じゃあ、アウルムを抱いたままでいいからそこに立ってくれる?」
「うん」



