本来、魔物と人間は相容れない関係であった。だが、その関係を契約で縛ることで、人間は魔物を使役出来るようになったのだ。
もちろん中には例外もあるが、アウルムのように魔物が人間に懐くのは極めて稀なのである。
「…………」
無言になり、心配そうな表情を浮かべているティナに、トールはどうすれば安心させてあげられるか考える。
しかし、アウルムはその種族も属性も何もわからない魔物だ。しかも<金眼>持ちときている。その潜在能力は計り知れない。
最悪、アウルムが従魔契約を拒めば討伐しなければならないのだ。
──ならば、これ以上情が移る前に──ティナの心配事をなくすためにも、自分が出来ることをしよう、とトールは決めた。
「ティナが望むなら、今ここで獣魔契約が出来るよ」
「──えっ?!」
本来獣魔契約を結ぶ場合、専用の魔法陣と魔術師が三人必要だ。それは契約が拒否された場合、魔物を拘束し処分するための措置なのだ。
「入国審査場だと獣魔契約を拒否した魔物は処分されるんだ。例外なくね。なら、今ここで契約すれば、もし拒否されてもアウルムを逃すことが出来るよ」
トールの提案にティナは驚いた。
魔物が処分されることにも、トールが獣魔契約の魔術を使えることにも。
「……そんな契約魔術を、トールは使えるの……?」
いくら最高の教育機関であるブレンドレル魔法学院で優秀だといっても、そこまで専門的な魔術まで網羅しているとは思わなかった。
もちろん中には例外もあるが、アウルムのように魔物が人間に懐くのは極めて稀なのである。
「…………」
無言になり、心配そうな表情を浮かべているティナに、トールはどうすれば安心させてあげられるか考える。
しかし、アウルムはその種族も属性も何もわからない魔物だ。しかも<金眼>持ちときている。その潜在能力は計り知れない。
最悪、アウルムが従魔契約を拒めば討伐しなければならないのだ。
──ならば、これ以上情が移る前に──ティナの心配事をなくすためにも、自分が出来ることをしよう、とトールは決めた。
「ティナが望むなら、今ここで獣魔契約が出来るよ」
「──えっ?!」
本来獣魔契約を結ぶ場合、専用の魔法陣と魔術師が三人必要だ。それは契約が拒否された場合、魔物を拘束し処分するための措置なのだ。
「入国審査場だと獣魔契約を拒否した魔物は処分されるんだ。例外なくね。なら、今ここで契約すれば、もし拒否されてもアウルムを逃すことが出来るよ」
トールの提案にティナは驚いた。
魔物が処分されることにも、トールが獣魔契約の魔術を使えることにも。
「……そんな契約魔術を、トールは使えるの……?」
いくら最高の教育機関であるブレンドレル魔法学院で優秀だといっても、そこまで専門的な魔術まで網羅しているとは思わなかった。



