ちなみに今はテントの中で、ティナはイロナと二人っきりだ。
 占うにはかなりの集中力が必要らしく、アネタとアウルムはトールに見て貰っている。

「でも、ティナちゃんのことに限っては当たるかどうか、私にもわからないのよね。上手くいくといいけれど」

 イロナはそう言うと、木の箱から袋を取り出した。

「私は石を使って占うの。石には古代アルカナ文字が刻まれていてね。一つ一つの文字がそれぞれ名前と意味を持っているのよ」

 イロナが袋の中から石を一つ取り出し、ティナに見せてくれる。
 白い石には、初めて見る記号のような文字が刻まれていた。