それは予期せず訪れた。 夕食を終えた夜。いつものように帽子とマスクを着けて、彼女とコンビニへ行った帰りの事だった。 片側二車線の道路で信号待ちをしていた時。暗い視界の端に突然大きな塊が突っ込んで来るのを目で捉えた。 普段の変装のせいで、視界が開けていなかったのがいけなかった。 運転手の制御を失った軽トラックが彼女を標的にしていると理解し、咄嗟に体が動いた。 「星伽っ!!」 僕は叫んだ。 少しでもトラックの的から彼女を外したくて、無我夢中で彼女を突き飛ばしていた。