星みたいな恋をしよう

カフェの前まで来ると、オスカルはドアを開け、「どうぞ」と絆に笑いかける。慣れないレディーファーストにドキッと胸を高鳴らせつつ、絆は「ありがとうございます」と言い、カフェの中へと足を踏み入れた。

全席を見渡すことができる奥の席に二人は座り、オスカルはコーヒーを、絆はミルクティーを注文した。注文を終えた後、オスカルの目が先程とは変わっていることに絆は気付く。

絆がオスカルと会った時、彼は幸せそうな甘ったるい目をしていた。だが今は、デートを楽しみつつもどこか警戒をしたような目をしている。その目は、ターゲットを逃さない捜査官の目だった。

(まあ、一応仕事だから、真剣な表情をしてもらわないと困るわ)

トクトクと動いている胸を誤魔化しながら、絆はカフェのドアへと目を向ける。現在の時刻は午前九時二十分。ターゲットは、まだ来ない。

これはただのデートではない。絆が殺害された後、容疑者として名前が浮上した男性の尾行をしようとオスカルに誘われ、絆はここに来ているのだ。