星みたいな恋をしよう

沈黙が訪れ、アンティーク調の時計の秒針の音が部屋に響く。どこか気まずい。まるで長く会えなかった友人や恋人にするような熱いハグをしてしまったことに、絆の頭の中はパニックを起こしそうになっていた。

(どうしてあたしまでハグを求めちゃったの!?あたしはオスカルさんのことが苦手なはずなのに……!!)

自分の感情と行動が裏腹になってしまっている。恥ずかしさと戸惑いから、すぐにこの場から逃げ出してしまいたい気持ちに駆られる。だが、絆の目の前に事件の資料が置かれてしまった。

「絆、ありがとう。絆のハグはどんな薬よりも効果がある。一瞬で安心できた。本当にありがとう。それで、お礼にドレスとこのホテルでのディナーはどうかな?」

資料をテーブルの上に置いたオスカルは、ハグをする前の悲しげな表情ではなく、いつもの蕩けるような顔に戻り、絆に最早日常と化したアプローチを始める。

「ドレスもディナーもいりません!あたしはあなたの恋人ではなく、協力者ですからね!」