小柄な絆の体は、背の高いオスカルにすぐに包み込まれてしまう。オスカルの口から出た吐息が絆の耳に聞こえ、絆が恥じらいを覚えて少し離れようと動くと、逃がさないと言わんばかりに強く抱き寄せられた。
互いの鼓動が、いつもは全力疾走をしないと聞こえてこないはずの鼓動が、絆の耳にはっきりと今、聞こえている。
(あったかい……。人の温もりってそういえば、こんなにも温かいものだったわ……)
絆は、光里を失ってから、ずっと温もりがどんなものなのか忘れていた。光里の体温を忘れてしまうことが怖く、あの日以来誰かの温もりに自分から触れることは無くなった。
心の中に懐かしさが込み上げる。それと同時に泣きたくもなってしまう。この感情に名前をつけるのならば、多くの人は何と呼ぶのだろうか。
気が付けば、絆は自ら両手をオスカルの背中に回していた。
どれほどの時間が経っただろうか。絆とオスカルは、ハグをやめてゆっくりと離れる。互いの顔は赤く染まっていた。
互いの鼓動が、いつもは全力疾走をしないと聞こえてこないはずの鼓動が、絆の耳にはっきりと今、聞こえている。
(あったかい……。人の温もりってそういえば、こんなにも温かいものだったわ……)
絆は、光里を失ってから、ずっと温もりがどんなものなのか忘れていた。光里の体温を忘れてしまうことが怖く、あの日以来誰かの温もりに自分から触れることは無くなった。
心の中に懐かしさが込み上げる。それと同時に泣きたくもなってしまう。この感情に名前をつけるのならば、多くの人は何と呼ぶのだろうか。
気が付けば、絆は自ら両手をオスカルの背中に回していた。
どれほどの時間が経っただろうか。絆とオスカルは、ハグをやめてゆっくりと離れる。互いの顔は赤く染まっていた。


