星みたいな恋をしよう

「……わがままの内容によります」

いつものような刺々した言葉は、絆の口から出て来なかった。絆の心にも悲しみが広がっていく。

（オスカルさんも、大切な人を失っていた……）

絆の頭に光里の顔が浮かぶ。涙が溢れてしまいそうになるのを堪え、オスカルに笑みを向ける。

「わがまま、聞かせてください」

「……本当にいいの？」

オスカルは少し驚いた顔をしていた。いつものように冷たくあしらわれると思っていたのかもしれない。

「その、ハグをしてほしい」

ハグには、ストレスを減らす効果があるとされている。ハグをするとオキシトシンが分泌される。オキシトシンとは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、人や動物と触れ合った時などに分泌される。

ハグをすることにより、幸せな気持ちになり、呼吸が深くなったり、血圧の上昇を抑える効果もあるそうだ。

「わかりました」

絆はオスカルの隣に移動する。そして、両手を広げるとすぐにオスカルは絆に抱き付いてきた。