「……警察はすぐに犯人は逮捕できるだろうと言っていました。でも、犯人は未だに見つかっていません。だから、あたしは犯罪心理学を学んで、少しでも事件の真相に辿り着きたいとーーー」

絆はまだ話している途中だったのだが、ふわりと温もりに包まれる。オスカルに抱き締められているのだと、すぐにわかった。ふわりと花の香りが絆の鼻腔に入り込む。

「オ、オスカルさん!」

夜とはいえ、外で抱き締められるなど誰かに見られたら恥ずかしい。絆が必死に胸板を押していると、オスカルは呟く。

「……ずっと、辛かったよね。大切な人を突然奪われて、その犯人が何年も見つかっていないんだから……。ねえ、俺も協力したい」

オスカルの体が離れていく。彼は真剣な顔をしていた。その瞳に、絆の胸がトクンと音を立てる。

「絆一人だと、捜査資料なんかは見ることはできないでしょ?でも俺がいたら好きなだけ見ることができる。どう?いいと思わない?」