星みたいな恋をしよう

数日後、左手の薬指にダイヤモンドのついた指輪をどこか照れ臭そうに嵌めた光里と、彼女を優しい目で見つめる婚約者が絆の前に立ち、馴れ初めや式のことなどを幸せそうに話した。

「光里姉、幸せになってね!」

「もちろん!絆にはブライズメイドをしてもらいたいんだけどいいかな?」

「絶対したい!」

「嬉しい、ありがとう!」

光里は絆に抱き付く。その様子を婚約者は微笑みながら見つめていた。

この瞬間が、一番幸せだったのかもしれない。



それから三ヶ月ほどが経ったある日のことだった。穏やかな晴れた日のことである。

絆はその日、テイラーと買い物に行くためにいつもよりおしゃれをし、光里から貰ったバッグを手にする。

「光里姉、行ってきます!」

絆が笑顔で手を振ると、レモンティーを飲んでいた光里はティーカップを置き、手を振り返してくれた。

「絆、行ってらっしゃい!」

玄関のドアがゆっくりと閉まっていく。これが最後の挨拶になるなど、この時は誰も想像すらしていなかった。