光里は驚いたように、そしてどこか悔しそうに、絆の手を引く。そして、絆の体は光里の腕の中に閉じ込められた。

「光里姉?」

ドクドクと光里の鼓動が伝わってくる。久しぶりに抱き締められたその温もりに、絆の瞳に涙が浮かぶ。戸惑っていた。だが、心の中に温かい感情が溢れていく。

「ごめん、急にいなくなって。絆がこんなにも辛い思いをしてるのに!ごめん!」

「光里姉……」

「もう大丈夫だから。私が、絆を助け出す。一緒に行こう」

「どこへ?」

絆が不安になり訊ねると、光里は安心させるような力強い笑顔を見せた。