皿洗いと片付けを終えた後、絆は二階にある自分の部屋へと向かう。その途中、ふと目に止まった鏡に映った自分を見た時、思わず足を止めてしまった。
「何これ……」
家事のせいで美容室に行けていない髪は伸び放題で、髪質もパサパサしている。肌も荒れており、目の下には濃い隈ができている。体も痩せ細り、以前の自分とは別人だった。そして何より、表情が動かない。心の中では驚いているのだが、顔は無表情のままだ。
(あたし、このままどんどんおかしくなって死んでしまうのかな。でも、その方がきっと楽だよね)
絆は死ぬことが怖くなかった。むしろ今、死ぬことを望んでいる。生きているこの瞬間が、絆にとっては地獄と同じだった。
(早く死ねますように……)
絆はそう強く願った。
それから月日は流れ、絆は中学三年生になった。受験のある大切な時期だ。だが、そんなものは絆の家には関係ない。
「高校は行かせてやる。ただし、この家から通えるところだ」
勝にそう言われた時、絆は何も言わなかった。ただ無表情のまま頷くしかできなかった。
「何これ……」
家事のせいで美容室に行けていない髪は伸び放題で、髪質もパサパサしている。肌も荒れており、目の下には濃い隈ができている。体も痩せ細り、以前の自分とは別人だった。そして何より、表情が動かない。心の中では驚いているのだが、顔は無表情のままだ。
(あたし、このままどんどんおかしくなって死んでしまうのかな。でも、その方がきっと楽だよね)
絆は死ぬことが怖くなかった。むしろ今、死ぬことを望んでいる。生きているこの瞬間が、絆にとっては地獄と同じだった。
(早く死ねますように……)
絆はそう強く願った。
それから月日は流れ、絆は中学三年生になった。受験のある大切な時期だ。だが、そんなものは絆の家には関係ない。
「高校は行かせてやる。ただし、この家から通えるところだ」
勝にそう言われた時、絆は何も言わなかった。ただ無表情のまま頷くしかできなかった。


