星みたいな恋をしよう

先輩たちが料理を食べ、料理の感想を言ったり、お酒が空になったグラスを突き出してくる。絆は何も言わず、黙ったままお酒を注ぎ、料理を作っていく。

「ほら、もっと早く動け!!」

顔をお酒で赤くした勝に怒鳴られる。もうこの怒鳴り声にも慣れた。少しでも家事ができていないと殴られたり、怒鳴られたり、それが当たり前となっていた。

夜中の一時を過ぎた頃、ようやくお客さんたちは帰ってくれた。勝がソファで眠りこける中、キッチンで一人絆は後片付けをしていく。

汚れたお皿を洗う音がやけにうるさい。絆は、皿洗いをしながらぼんやり考えていた。

(あたし、何のための生きているんだろう……)

もうずっと大好きな星を見れていない。家事と課題のせいでまともに眠れておらず、頭は常にぼんやりとしている。そんな状態では成績も伸びることがなく、むしろ下がっていた。テレビやスマホをのんびり見る時間もなく、最近の流行っているものもわからない。ただ毎日、家事をするだけの日々だ。