星みたいな恋をしよう

もう部活をしている暇はなくなり、絆は吹奏楽部を辞めた。やっと吹けるようになったフレンチホルンにもう触れることがでできなくなった夜、勝と一は「これで家事に専念できるな」と笑っていたものの、絆は布団の中で泣いた。好きなことを奪われてしまったことが、悲しかった。

「ねえ、少しは手伝ってよ」

絆が洗濯物を畳みながら一に言う。ソファに寝転んでゲームをしていた一は、「は?」と馬鹿にしたように笑った。

「お前、何言ってんの?家事は女のお前の仕事だろ?サボんじゃねえぞ?」

勝も一も、「手伝おうか」という声を一言もかけてくれたことはなく、絆にだけ負担がのしかかっていく。特にテストが近付いてきた時は、いつも以上に忙しい。家事もして勉強もしないといけないからだ。

「……もうこんな時間……」

家事を全て終え、問題集をしていたら夜中を過ぎてしまうことは多い。少し眠った後、四時に起きてまた家事をしなくてはならない。テスト期間でも、勝たちは協力してくれることはなかった。