星みたいな恋をしよう

「……ええ、行ってらっしゃい」

この怒りを鎮めるため、絆は星を見ることにした。隣から「星なんて見て何になるんだよ」とまた馬鹿にした声がするも、無視する。

(高校は県外の全寮制の学校にでも行こう。この場所から早く離れたい……!)

強く絆は拳を握り締めた。



忙しい日々は流れ、夏を迎えた。あちこちから蝉の鳴き声が響き、ムワッとした熱が地面から反射して伝わり、汗が嫌でも滲んでくる季節だ。

「行って来ます!」

まだそう暑くない時間、絆は今日も吹奏楽部の朝練のため早く家を出る。真由美がニコリと笑い、「行ってらっしゃい!」と返してくれた。

玄関のドアがゆっくりと閉まっていく。真由美の笑顔が少しずつ見えなくなっていく。

この数時間後に地獄が訪れるなど、絆には想像すらしていなかった。

朝練を終え、授業をしっかりと受ける。教室に取り付けられたクーラーからは涼しい風が送られてくるため、授業に暑さのせいで集中できないということはない。先生が話し、黒板に書いていく文をノートに書いていく。