星みたいな恋をしよう

勝の弟が離婚してから、親戚たちの男尊女卑はさらに酷いものになったように見えた。女は高校を卒業したらすぐに結婚させろ、資格を取らせるな、そんなことを真由美に家に飲みに来た時に言っているのを絆は聞いた。それと同時に、絆の心の中に寂しさが溢れていく。

(光里姉、今どこにいるの?会いたいよ……)

綺麗な星を見ても、その寂しさだけは癒されることはなかった。むしろ、一緒に見たい星を探していた時のことを思い出してしまう。

星座早見盤を見ながら絆は空を見上げる。南の空に赤く輝く星が見えた。

「アンタレス、見つけた……」

口から出た言葉は、喜びに満ちた声ではなかった。そんな絆を、母親である真由美だけが心配そうに見ていた。

それから月日は流れ、絆は中学生になった。あの日を最後に光里には一度も会えていない。だが、小学生の時とは違い制服を着て学校に通うことに少しだけ胸を弾ませていた。

「中学では部活っていうのがあるんだよね」

「楽しみね!」