星みたいな恋をしよう

「ロンドンって都会?」

「都会だよ。ここにあるような田んぼや山はないんだ。おしゃれなカフェとか、大きな観覧車があるんだよ!」

「都会……。いいなぁ〜!」

煌めく星も好きだが、都会というものがどんなものなのか見てみたいという憧れが絆の中には生きている。特に異国ならば尚更だ。

「写真、帰って来たらまた見せる」

「うん!楽しみにしてる!」

絆がそうニコリと笑うと、光里は一瞬その目に悲しみを浮かべた。そして、絆の小さな体は光里に抱き締められる。

「……この村の連中は、「女に学歴は必要ない。結婚して子どもを産むのが女の幸せで、家庭を持つことが一人前になった証」ってよく言うけど、女の子にだって勉強は必要だよ。色んな知識を身に付けて、一人でも生きていけるようにならなきゃダメ。女は男の奴隷じゃない、人間だよ」

「……光里姉?」

「勉強したければすればいい。自分の行きたいところに行けばいい。進みたい道を歩めばいい。自分の人生の決定権を持っているのは他でもない自分だけ。それだけは絶対に忘れちゃダメ。誰かに支配されたり、依存してしまったら、もう後戻りはできないから」