「絆は可愛いから、変質者に狙われないか心配で見守ってたんだよ!この辺りで三日前も女性が男に襲われそうになる事件があったからね」

見守っているからセーフでしょ、と言いたげな表情で見つめてくるオスカルに絆は頭を抱えたくなった。

「あなたのやってること、言っていることはもうストーカーと何ら変わりません!二度としないでください!」

絆の穏やかな日常は、少しずつこのFBI捜査官によって壊されそうになっている。あのファーストキスを奪われた日から、暇さえあればオスカルは絆の前に姿を見せ、容赦なく口説いてくる。

「あたしを口説く暇なんてあるんですか?仕事じゃないんですか?」

一度、そう絆は嫌味を込めて言ってみたことがある。だが、オスカルは嬉しそうにニコニコと笑っていた。

「今は休暇中なんだ。ちゃんと休まないと犯人と向き合えないから、休息は大事だよ。でもただ休むだけじゃ意味ないんだ。絆と少しでもお話しないと、全然疲れが取れないんだ」