しばらく抱き締め合った後、絆はオスカルにカーテンを開けてほしいと頼む。オスカルがカーテンをゆっくりと開けた先に見えた景色に、絆は泣きそうになった。窓の外に見えていたのは、美しいたくさんの星である。

「綺麗……。生きていないと、こんなに綺麗な星は見えませんね」

絆が震えた声でそう言うと、「そうだよ」とオスカルも返す。

「生きていないと、喜びも幸せも何もないんだよ。恋のときめきだって」

椅子に座って夜空を見上げるオスカルの頰は、赤く染まっている。その横顔を見て、絆は自身の感情の答えに辿り着いた。屈辱的な答えではあるものの、仕方ない。

「あたしの負けかぁ」

日本語でそう絆が小声で口にすると、オスカルが「どうしたの?傷、痛い?」と心配する。絆はオスカルに「大丈夫です」と言った後、ふと悪戯心が芽生えて言った。

「オスカルさん、あたしに顔を近付けてください」

「えっ?」

オスカルは戸惑った様子で顔を近付けてくる。絆はオスカルの顔が近付いてすぐ、彼の頰にキスをした。

「初めて会った時のお返しです」

絆がそう言って笑うと、オスカルの顔がさらに真っ赤になる。そして煌めく星が見守る中、二人の唇が重なった。