* *


20分もだらだらと歩けば、そろそろ足に負担がかかりすぎて痛くなる。


……痛い。


まだ着かないのか。


「着いたぞ。早く入れ」


スタスタと格好よくポケットに手を突っ込んで歩く先生はホストに間違えられそう。


服装がいけないんだ。


「……エッ!?」


優がどこから出したのかワカラナイ変な声を出した。


みんなそんな優に視線を向ける。


「こ…ッ、此処……ッ!!」


優は先生の家を震える指でさしながら、一言。


「……蓮の家じゃないの?」


口元をつりあげて言った優の表情に、偽りはなかった。



あたしも確認するように優から視線を離し、先生の家をまじまじと見る。


……あたしも以前入ったことのある家だった。


間違いない……。


ここは紛れもなく蓮の家だ。


おまけに、家の表札には如月とかいてあった。



「…お前等知らなかったのか?俺は如月の義理の兄貴だよ」