"でもさ、どん底にいる俺と優を救ったのが、あんただよ。"


蓮の一言が頭の中でうるさいほどに、リピートする。


「まっ。分からなくて当然だけどね」


さらに意味が分からなくなる。


「でも…蓮と優って中学までがヤンキーだったんでしょ?高校からは普通だったんでしょ…?あたしは、あんた等のヤンキー姿見た事ない…。」


「見た事ないんじゃなくて、覚えてない…だけだろ」



蓮は、呆れながら笑う。

あたしの頭は流れに全くついてこない。


そんなあたしの頭に蓮は手を乗せる。


「俺とお前は既に中学の頃に出会っている」


蓮は笑いながら言っているが、目は真剣そのもの。


冗談だとは、言い切れない。


「は…?ありえないよ…」


「覚えてなくて当然だよ。あの時暗かったし、俺…外見が今と全く違うし。」


あの時…?


暗かった…?


外見が違う…?