「もういいよ、顔あげなよ。」

アキの優しい声。

そんな風にされたら、本当に、本当に好きになってしまうじゃない。

もうやめてよ。

「俺、怒ってないし。ハルの俺に対する気持ちはよーくわかったから、ありがとね。」

アキはそう言うと、ようやく目を合わせた私の頭を優しく撫でた。

私のアキに対する気持ちがわかったって?

どういう風にわかったの?

優花を紹介するって、アキには全く気持ちがないって思った?

そうじゃないのに。

そんな風に思ってほしくないのに。

いやだ。

涙が出そう。

「元カノには、ハルの言うように近々本当のこと話すよ。ハルのお友達にもよろしくね。いつでも紹介しちゃってよ。」

いつものようにニヤッと笑うと、テーブルに二人分のコーヒー代を置いて去っていった。

また取り残されている私。

言いたいことはたくさんあるのに、言葉が出ないまま。

何やってるんだろう。

こんなはずじゃなかったのに。優花を売るようなマネして。

自分のやってることに不快感。

どうしてこうなっちゃうの?

アキの前では・・・。