「どうでもいいけど、あたしたちの姫に手ぇだしたら高くつくよっ!」


 和泉ちゃんが、大きな声を張り上げて言う。


「お前らのほうが、圧倒的に人数が多いじゃねーか!」


 谷崎くんは、不利な状況だと察知して身を引こうとしてる。


「喧嘩をしてねーから、蜂屋に負けてもいない」


「そうだな」


「今度は本当に一対一でタイマン勝負、リベンジだ」


「谷崎、受けて立つぜ」


 仲間たちを引き連れ、バイクに乗った谷崎くんは爆音と共に姿を消した。


 静寂の時間が流れる中で、和泉ちゃんが近づいてくる。

 絶対に怒られる!お姉ちゃんの特攻服を断りもなく勝手に着たんだから、殴られても当然だよ。


「こうなるって、みんなで予想はしてたけど……まさか、金髪サイドテールにまで……」


 深く溜息をついた後、和泉ちゃんが口を開いた。



「可愛いから、ゆるす」