堤防の向こうから、爆音が響いてきた。

 どんどんこっちに近づいてくる。


 谷崎くんの仲間は体の動きを止め、堤防の上を見上げた。

 睨むように鋭い視線を向けているのは、私の背後。


 無数のヘッドライトの明かりが、私の背中を照らしてる。

 ぼんやり浮かぶシルエットに、金髪サイドテール特攻服の姿があった。


 ゆっくり振り返り、私が目にしたのは……


 堤防の上で横一列に並ぶ、たくさんのバイク。

 エンジンを止めても、私をヘッドライトで照らし続けてる。

 そのセンターに、二代目総長の姿があった。


「和泉ちゃん……」


 お姉ちゃんの後輩たちが、私を助けに来てくれた。

 名前は分からなくても、見たことがある人もたくさんいる。


「みんな……」



 私は、谷崎くんとその仲間に背を向けた……