「うるせえ……」
「手を使わないで、俺に蹴りをしてきたのは怪我の秘密がバレたくなかったからだろう?」
「……」
奈緒くんは黙ったまま、何も言い返さない。
「お前が喧嘩の時に使う関節技、特攻の姫から教わったんだって?」
谷崎くんは、一通り言い放つと行動に出た。
「お前ら、蜂屋の周りを囲め!一対一で喧嘩はするな、大勢で取り押さえてボコボコにしてやる!」
背後にいた仲間に、合図を出してる。
それって、タイマンじゃないよね。
谷崎くんは、初めから一対一の勝負なんてする気がなかったんだよ !
「そんなの、ずるい……」
私の所にも、谷崎くんの仲間が数人せまってきた。
足が震えて内股になり、ヘタレ地味子が姿を見せる。
「奈緒くんをこの場に置いて、逃げることなんてできないよ……」
心の中で葛藤してると、内気地味子が姿を現す。
その時……



