「やっぱり姫さまは、初代総長にそっくりだよ」


 一応、顔が似てる姉妹なので、そうなるよね……


「集会に参加してくれたら、みんな喜ぶんだけどな~」


 内気で地味子の私には絶対に無理です。


「えっと、姫さまに報告したいことがあるのよ」


「私に?」


「ちょっと強引だったけど、教室から連れ出して生徒のいない場所で話したかった」


「なっ、なんでしょうか……」


 真顔で腕組みする和泉ちゃんが、目を細めながら口を開く。


「クラスメイトで、谷崎 悟ってゆう奴がいるでしょう」


「うん、暴走族の総長さんだって噂で聞いたんですけど……」


「すっごい粘着で、めんどくさい性格の奴だから気をつけてほしいのよ」


「なんか、そんな感じがしますよね」


「それと……」


 和泉ちゃんが急にニヤニヤして、半笑いの顔で言ってくる。


「姫さまが小学生の時に転校した幼なじみ、イケメンだねぇ~」



 さすがレディース暴走族の二代目で知将、情報収集がハンパない……