目覚まし時計の音が、私の枕元で鳴り響く。


「もう、そんな時間……」


 寝ぼけ目を擦りながら、手を伸ばして目覚まし時計を止める。


 それにしても、布団の中が暑い。

 ちょっと汗ばむぐらいな感じがするのだけど、なぜ?


「ん?」


 私の脇から腕が伸び、両手で体を掴まれてる。


「まさか……」


 布団の中に奈緒くんがいるよ~っ!

 しかも、背後からバックハグ状態で抱きしめられてるぅ!

 なぜなぜ? 奈緒くんがパンツにTシャツ姿だっ!


 たしかに、寝てる時は「なんか暑いな」って感じがしてた。

 奈緒くん、君はいつから私の布団に潜り込んで寝ていたのさっ!

 コラッ、いいかげんに起きなさ~い!


「あっああああああのっ!」



 動揺して、心の中で思ってることが口から出てこないよ!