「引っ越しの荷物も、少なかったのはそのせいかな?」


「どうして姫乃が知ってるんだ?」


「私の部屋から見えたよ」


「だよな、家も隣だし」


「じゃあ、奈緒くんは一人暮らしなの?」


「しばらく、そうなるんじゃね」


 ひさしぶりに再開した幼なじみが、イケメンになって帰ってきたと思ったら一人暮らしを始めると言い出した。

 これって、夢じゃないよね……


「姫乃の家で晩飯の用意してるって言われたんだけどよ」


「知らないよ、お母さんから何も聞いてないもん……」


「おばさん、姫乃のこと驚かせようとしてんじゃね?」


「そうかもね……」



 お母さんは、よけいな気を回さないでほしいな……