二人っきりになったけど、ドキドキして言葉が出てこない。

 話したいことは、たくさんあるのにどうして?


 それにしても、ビックリするほど不釣り合いな私たち。

 地味子とイケメンが、制服姿で歩いてる。

 すれ違う人に、変な目で見られてないか心配だよ。


「このまま姫乃の家に行くから、よろしく頼むぜ」


「えっ、今なんて言ったの!?」


 内気で目立つことが嫌いな私だけど、驚いて大きな声を出してしまう。


「なんだ、でかい声だせるじゃねーか」


「ごめんなさい……驚いてしまったから、つい……」


 すぐに小声で話したので、奈緒くんもあきれてる。


「あのころの、男勝りな姫乃はどこにいったんだ?」


「元気だった幼少の頃の私は……もういないよ……」



 沈んだ声で、顔を俯かせながら私は話す。