エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 その通りだった。

 気持ちだけではなにも成り立たない。

 ある意味、和臣のほうがそれを知っていたのかもしれない。

 高校時代は、生徒会長という仕事。

 そして現在だって、多分重要な仕事に就いている。そこだって同じだろう。



 私は、もっと和臣さんの行動の意味を考えてみるべきだったんだ。



 梓は、そう噛み締めた。

「そう……だね。和臣さん、ううん、和臣先輩は立派な会長だったもん」

 笑みが浮かんでいた。

 あの頃を懐かしく思い出す。

 和臣が生徒会長で、自分は役員だったとはいえ、一年生のまだまだひよっこで……。

 大人になり、交際していたときとは違う意味で、和臣を好きで、慕って尊敬していた頃の話。