エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 言われて、はっとした。

 目が丸くなっただろう。

 そうだ、和臣だって闇雲に突撃してきたわけではない。

 そうに決まっている。

 むしろ、計画的だったのかもしれない。

 梓と和の居場所を突き止めることも、あのタイミングで訪ねてきたことも、話の内容も……。

 それは気持ちだけではできないことだ。

 ほかに、裏付けになることがあるからこそ、できたことだ。

 思い当たらなかった自分は、自分のことしか見えていなかったのかもしれない。

 梓は初めてそう気付き、少々悔やんだ。

 その梓に、母は微笑みかけて、少し懐かしい話をした。

「和臣くんのことは高校時代しか知らないけど、生徒会長として立派に学校をまとめていたんでしょう? それはきっと『学校を大事にしたい』って気持ちだけじゃできなかったことだと思うわ」