エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 一通り話した梓は、言葉を切って、再び麦茶を口に含んだ。

「……それで、どうしたらいいのか……ちょっと、わからなくなっちゃったっていうか……」

 今度はゆっくり麦茶を嚥下する。

 話のうちに少しぬるくなってしまっていた。

 少し長めの話ではあったが、和は梓が与えたタブレット端末でアニメを見て、大人しく過ごしていた。

 アニメ一本が終われば飽きるか満足するかして、こちらへ来ると思うが、まだ少しは余裕がある。

「なるほどね。引っ越しと出産の経緯が経緯だものね……それはわからなくなるわよ」

 同じように、母もグラスを手に取った。

 ひとくち飲む。

 なにか考えている様子だった。

 でも梓のほうから追加で説明できることはもうあまりない。

 本題はすべて言ってしまったし。