エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「はーっ! おいしーっ!」

 和も喉が渇いていたようで、そのお茶を心地よさそうに飲んで、明るい声で言った。

 同じように梓もグラスを傾ける。

 昔、実家で飲んでいたのと同じ味の麦茶。

 懐かしくて、美味しくて、渇いていた喉に染み入るようだった。

「それで? なにか困ったことでもあった?」

 向かいの座布団に座った母は、ずばっと聞いてくる。

 梓は内心、少々苦笑いしたが、母のこの豪胆な気質にはずっと助けられてきたのだ。

 隠すことなく、切り出した。

「うん……実はね……」

 和臣が急に現れたこと。

 梓を訪ねてきたのだということ。

 父親と名乗ったこと。

 それからそのあと、二人きりでした話……。

 母は目を丸くして聞いていた。

 なにも口を挟むことはなかった。