エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 すなわち、あのとき美穂が半ば脅すように梓に向かって言ったこと。

『私のパパは警視総監だから』

 そんな、美穂と別れないという事情は消えたのか、なんなのか。

 とりあえず、仕事を失うには至っていないのだ。

 それが頭に浮かんだとき、梓は安堵してしまった。

 自分は和臣に迷惑をかけたくないと思って、この道を選んだ。

 仕事や夢を奪わせてしまうことはなかったのだ。

 その点については、きっと良かったのである。

 和臣の気持ちにとってどうなのかはわからずとも、梓が足枷にならなかったのは確かなのだから。

 でも……。

 ふと、現在の和臣に関する推察とは別のことが浮かんだ。

 すなわち、和臣の気持ちという点だ。

 わざわざ梓に会いに来たのだ。

 どうにかして場所と状況を調べて、やってきたのだ。

 そして自分でも言った。

『俺との関係と、この先を新しく作ってほしい』

 きっとそれがすべての答えだ。

 和臣は自分と居たいと思っていてくれる。

 それしかない。