「朝から元気がなかったんですが、お昼ご飯の前にぐったりしてしまって……」

 梓と同年代の担任保育士は和を連れてきて、そう説明した。

 元気がなかった理由など明白だったので、梓は心から後悔した。

 はじめから休ませるべきだったのだ。無理をさせてしまっただろう。

「すみません、私のせいです」

 和を抱き取り、しっかり抱っこしてから梓は小さく頭を下げた。

 やはり先生に詳しく話すことではないので、先生は単に『管理不行き届き』だと受け取ったらしい。

 笑顔になってみせて、首を振った。

「ママのせいじゃありませんよ。子どもは急に熱を出すものですから」

 そう言った言葉に、梓は安堵していいのか、それとも自分のせいと責められなかったことに胸が痛んでいいのか、わからなくなった。

「ありがとうございました」

「はい、お大事に。明日も熱が引かなかったら連絡してくださいね」

 ぺこりとお辞儀をして、園を出る。