和臣に言われたではないか。

『梓の気持ち次第だ』

 そう、言われた。

(私の気持ち……)

 こちらもすぐにわかるはずがなかったけれど、それでも頭の中で反芻した。

 私の気持ち……つまり、考えるべきはこうなのだ。



 私はどうしたいんだろう。



 思い浮かんだ。

 もう一度、噛み締めるように頭に浮かべた。

 どうしたらいい、ではなく、どうしたいのか。

 それがきっと、一番大切で、そして考えるべきことなのだ。

 今はまだわからなくても、自分の気持ちで決めること。

 それが求められていることであり、自分自身で知りたいことでもあった。