くす、と笑ってしまいながら、梓は洗濯かごを脱衣所へ戻しに向かう。

「ちゃんと結花ちゃんのママにも予定を聞くのよ」

「うん!」

 そんなやり取りをしながら、朝の家事は終わった。

 和はちゃんと魔法のステッキをおもちゃ箱に戻してきたので、代わりに必要なものを詰めて、今度こそ幼稚園に出発だ。



 梓と和、二人の日々。

 自転車に二人で乗って幼稚園に向かうのにもすっかり慣れた。

 うしろの座席で、今日はなにをして遊びたいのだとか、明るく話す和に相づちを打ちながら、ゆっくり自転車をこぐ梓は穏やかな笑顔を浮かべていた。