あの事件について、翌日から数日後までは大変バタついていた。

 警察で取り調べを受けている美穂に直接面会をすることはなかったが、梓と和臣、そして少し回復してからは和も事情聴取があったのだ。

「どうして美穂についていってしまったのか」という最大の謎について、和がした説明はこうだった。


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 梓が見ていたコーナーの裏手。

 子ども用の乗り物おもちゃが並べてあるところ。

 そこで穂住がおもちゃに乗って遊んでいた。

 和はそれを見て、声をかけようか少しためらったのだという。

 どうやら最近は幼稚園でちょっかいを出されることもなく、平和な関係だったようだ。