「……うん。和臣さんも」

「ああ」

 梓からもそっと、和臣に寄り添う。

 そこでやっと、実感した。

 和臣は和を守ってくれたのだ。

 守り切ってくれた。

 再会し、家族になったときの誓いは本当になった。

(このひとがいてくれたから、和は無事だったんだ)

 胸に迫って、今度は違う意味の安堵の涙が零れてしまう。

 でももう泣かなくていいのだ。

 そっと指で拭い去った。

「俺は一旦、家に戻るよ」

「わかった」

 それでおしまいになった。

 梓が和について、病室に泊まることになったのだ。

 大きいベッドを貸してもらったので、腕に抱いて眠れるだろう。