エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 病院の廊下。

 ひとつの病室の前。

 中では和が、もう穏やかに寝息を立てている。

 あれから警察隊が到着し、和を保護し、美穂の身柄も確保された。

 外傷はなかった和だが、梓と和臣から離れていた間のことはわからなかったので、一応病院へ行き、一通り検査を受けた。

 その結果、心情的なショック以外は特に怪我などないと判明した。

 梓と和臣は心底安堵したものだ。

 ただ、消耗は激しかったので、一夜入院することになった。

 それで個室ベッドに寝かされるなり、ずっと付き添っていた梓の手を握りしめて、眠りに落ちたのだ。

「悪かった。美穂の恨みを甘く見ていたよな」

「ううん。……許せないけど、ちょっとはわかると思うんだ」

 話はことの原因になった。

 梓はまだ和臣に寄り添っていたけれど、ぽつんと言った。

 和が診察を受けたり、入院手続きが進んでいたりする間、和臣のほうは、事後処理に向かっていたのだ。

 警察に行き、事の次第を説明し、美穂のことも……。